自由で材料や工法にしばられず、設計にこだわり、オリジナルな家ができる建築家との家づくりですが、その特徴を7つまとめてました。
1.細かな設計に関われるからイメージと実際のギャップがない
2.ハウスメーカーにない自由度が魅力
3.設計の立ち位置がお客様側にいる
4.設計料を別に支払うこと
5.打合せ期間の長さと内容の違い
6.図面の枚数が多いのには意味がある
7.施工契約の順番は最終図面ができてから。
1. 細かな設計に関われるからイメージと実際のギャップがない
という事ことですが、
ハウスメーカーや工務店の場合、無料で間取りを出してもらい、何度かの打合せで了承したら契約になり施工します。施工中はほとんど関わる事がありません。
建築家との家づくりの場合は、要望を出してから、設計の打合せが4か月程あります。そして見積りが出てから調整の打合せ、建物の建築中にも、現場打合せがあり、図面通りに進んでいるか?選んだ材料、スイッチの場所の確認など、図面だけではわからない部分を家の建築中も、関わっていきます。
実際の建物に入ってみる事で図面で打合せした感覚と違う部分がある際に、変更などもしていきます。
≪ポイント≫
- 自分の家の設計に細かな部分まで関わる事ができる。
2.ハウスメーカーにない自由度が魅力
例えばハウスメーカーや工務店の場合、自由設計と言っても、ほとんどは決まった工法や仕様・材料の範囲があり、「この中から自由に選んでください」となり、フルオーダーというより、セミオーダーという感じです。
決められた材料を大量発注する事によるコストダウンはありますが、展示場や広告、会社の経費、人件費なども大きな経費がかかっています。
建築家との家づくりは、そうした経費がない分、自分がかけたい部分や、必要だと思うところに予算を使えます。
- 「間取り」 ②「素材」 ③「設備」 ④「工法」 ⑤「耐震」 ⑥「高気密高断熱」 ⑦「外構」などそれぞれある色々な要素の中で、優先順位を考えて「予算」を何にいくら使うかを配分します。
≪ポイント≫
予算を何に使うかを自由に自分で選べます。
3.設計の立ち位置がお客様側にいる
ハウスメーカーや工務店に頼めば、
その会社の中にいる設計士やプランナーと呼ばれる人が設計をしています。お客様に対応するのは、設計士ではなく営業です。営業担当がお客様の要望を設計に伝えて図面を書いてもらいます。
お客様が設計事務所に頼めば、建築家が設計します。
そして、施工中、図面通り建てているか?という確認も、お客様側にいるからこそできます。専門家として、お客様の代理人としてチェックするのも建築家の仕事です。
※工務店から設計を依頼される「建築家」の場合
ハウスメーカーや工務店が建築家に設計を依頼する事があります。
「建築家との家づくり」となり、同じように感じますが、建てる側が依頼していたら、工務店側に設計がいるという事です。
お客様ではなく工務店が依頼主です。
≪ポイント≫
- 工務店のためか? お客様のためか?建築家は誰のために仕事をするか、依頼主の立ち位置よって変わる。
4.設計料を別に支払うこと
設計料とは、設計した人の人件費や技術料です。
建築家に依頼するときだけ「設計料」がかかると思っている人がいますが、設計する人がいるという事は、必ず設計料が発生します。
どこの家でも金額の中に必ず入っています。
建築家に依頼した時には、「設計料」として費用が発生し、ハウスメーカーや工務店に依頼したときは、設計にかかる金額は「経費」として見積りに含まれています。
建築家に依頼したときだけ、設計料がかかるわけではありません。
別に支払うか、経費として支払うかの違いです。
≪ポイント≫
- 家が建つには、「設計」が必要。
- 設計するという仕事に対して、設計料は発生している。
5.打合せ期間の長さと内容の違い
ハウスメーカーや工務店に依頼した場合、間取りの打合せは、数回です。もちろん、お客様の要望通りの間取りで提案するのは当たり前に感じると思いますが、実は違います。
要望通りを間取りにする事は、お客様の要望を聞いているとも言えますが、言われた通り設計したのでクレームになりません。
「あなたが言った通りにプランを作り、了解したのですから。」
でも、自分が住みたい家のイメージは、色々な要素もあり、それを言葉で伝えるのは難しいので、適格に要望を言えないのが普通です。
だから、昔から「家は3回建てないと思い通りに建たない」と言われるのだと私は思います。
建築家に依頼した場合、時と場合によって異なることはありますが、
間取りの打合せは、3~4か月、長い場合、半年ほどの事もあります。
お客様の要望は当然聞きますが、そのまま間取りの提案するわけではありません。
普段の生活の仕方から、家族それぞれの過ごし方や、誰が、いつ使うか?など使う人の性格や頻度を確認して「こうした方が、使いやすく動線も良い」というように、要望を整理し、依頼主の将来に渡って使いやすいよう建築家ならではの提案があります。
ひとつひとつ確認しながら決めるので、予想以上のプランになります。
ただ、そのための打合せの回数は多くなり、時間と手間はかかります。
間取りにしても材料にしても、すべて自由に選ぶことができます。工法や仕様も、お客様の要望を元に予算に合わせ、どんな家づくりも可能です。
お客様がインターネットで探した材料や機器などを使う事もできます。
≪ポイント≫
- 設計に時間をかける。
- 材料や設備を予算に合わせて調整していく。
6.図面の枚数が多いのには意味がある
建築家に設計を依頼した場合、設計図面の枚数が30~100枚ほどにもなります。
お客様と設計で決めた事を、現場で工事する人へ、間違いなく伝わるように各部屋、細かく図面で指示していくからです。
図面には、間取りだけでなく、材料の指示や設備の仕様、窓や照明の種類なども書かれています。図面に、様々な指定が多いということは、その通り作らないといけないという事です。
図面は家のカルテです。
お客様は、全ての図面を一冊の本としてもらうことができます。
出来上がってしまったら見えない構造や配線、配管などについても、
図面があるので何年も月日が経った後でも図面を見ればわかります。
お客様とは打ち合わせで決めていたのに、現場の人には伝わっていなかった! というようなことも詳細な図面があれば防ぐことができます。
ハウスメーカーなどでは、家ごとにシリーズ化し、パッケージ商品としているので、ひとつひとつ全てを書かなくていいようになっています。
規格化された図面がある場合はまだいいのですが、図面が少ないと、ない所は工事する側の判断や材料で進めてしまいます。
つまり、図面にない=現場の人の裁量に任せますよ、という解釈になるので、図面の枚数は、きちんとした家づくりにとても大切なことなのです。
≪ポイント≫
- 図面は家のカルテ、図面の枚数は施工に対する詳細な指示書
7.施工契約の順番は最終図面ができてから
一般的なハウスメーカー、工務店の場合、要望をまとめた間取りができ納得頂けたら、最初に契約となります。そして、最初の契約はあくまで仮の金額で、そこから詳細な要望や変更などを行って行く中で、変更による増額が発生するわけです。
自分が要望したオプションや変更に関して、増額という事になり予算よりオーバーするのは仕方ないという事になりますが、建築家との家づくりの場合は全く違います。
まず、設計からスタートするので、要望、予算を考えて、その範囲内で進めて行きます。途中、概算見積りなどを出して、オーバーしている場合は材料や仕様、設備などを変更したり、調整したりして予算に納めていく方法です。
建築家との家づくりの場合、工務店との施工契約は最終図面ができてからです。仕様、材料、設備を含めた総額が出て、この金額でOK!と確認した金額で契約です。そこからの増額はありません。
≪ポイント≫
- 建築家との家づくりの施工契約は 最終図面ができてから