藤井寺の家 ~珠玉のここちよさのある暮らし~ 小笠原 絵理
施工会社:ヒロタ建設株式会社
- コンセプト
- 施主は一人暮らし。将来、家族が増える、親との同居も考慮に入れたいという。今は、近くに住む両親や兄弟家族、趣味を同じくする友人との時間を大切にしている。
一人でもここちよく、みんなとでも気持ちよく過ごせる住まいって、どんな家だろう?
大きな空間は必要だろうか?使い方に応じながら、過不足なく、自由に、ここちよく過ごすことができたらいいな。結果、小さな小屋を連ねることで、個々で過ごすことも、つなげて集うことも、柔軟に応じることができるのではないかと考えた。
敷地は、南は道路、東西北は三方隣家に囲まれている。今後、周辺環境が変わっても、自然も含めた住環境が保てるように、敷地を南北に横断する“とおり庭(ろじ庭+おく庭)
”を設けることにした。庭に面して、スケールも趣きも異なる小屋を並べて、お向かいで気配を感じたり、建具を開閉したり、使い方に応じて距離感を調整できるプランとした。
各小屋は2.5畳から8畳程度の広さを確保、すべて切り妻屋根とし、内部も勾配天井をそのまま生かした。外壁はモルタル荒し上げ、内部の壁天井は、左官下地材や杉板など、職人の手しごとで仕上げた。小屋ごとに、天井高さや、開口のとり方、光の入り具合、灯りや建具などのしつらえを変えて、趣を異にすることで、思い思いに時を過ごし、家全体で、ゆたかな暮らしが楽しめるようにと考えた。
引き戸を開ければ庭とひとつづきのキッチンリビングは、無垢のテーブルを囲んで仲間と集える。雨の日は、個室で雨だれの音を聞きながら静かなときを過ごすことも。風呂の湯船につかれば、庭の樹々が灯かりに照らされゆらゆら湯面に写りこむ。向かいは、灯をともす我が家の景色があたたかい。
ろじ庭、おく庭を囲み、小屋が連なるイエは、適度な距離を保ちながら、一人で、家族で、仲間とシェアして暮らすことができる。ときには、一部まちに開かれた場所にもなる。
多様な暮らしに応じることができる、懐の深いイエになった。
- 敷地面積
- 200.92㎡
- 延床面積
- 113.63㎡
- 用途
- 専用住宅
- 構造
- 木造2階建て
- 家族構成
- 男性一人
- 所在地
- 大阪府藤井寺市