鴫野の家 anet_admin

鴫野の家
コンセプト
敷地は大阪の下町、昔ながらの長屋の残る地域にある。

植木鉢が並べ置かれている幅一間ほどの細い路地に面した、隣に息子夫婦が暮らしているその場所で、昔から生活していたお母さんの為のひとり住まいを計画した。周辺は建物の密接した環境で、そこに住まう住人同士の距離も近く、道端で会話をする姿をよく見かける。そんななかで生活してきたお母さんが、これから先も変わらず、友人や息子夫婦との適度な距離を保ちつつ、それでいて、より豊かな生活できる空間をつくることを意識した。

たとえば、道路に面したインナーテラスは、前面道路との間にバッファーをつくりつつ、お母さんがかつてのように、友人との会話を楽しむ場所になる。中庭を囲むテラスの延長には、息子夫婦の住まいがあり、中庭を介して二世帯がつながっていく。

全体のボリュームを抑え、道路からセットバックしたスペースにコクチナシを植栽し、路地の植木鉢や花壇など、その場所の風景を継承しながら、より美しい町並みを形成するきっかけをつくっている。環境との接点や、町の歴史を意識したこの住まいは、次世代へと住み継いでゆけるひとつのカタチになったのではないかと思う。
敷地面積
66.03㎡
延床面積
46.01㎡
用途
専用住宅
構造
木造2階建
ダイニングスペース。
リビングスペースから中庭方向を見る。デッキテラスが息子夫婦住居へと延びる。
2階和室。上り梁がのびていくおおらかな空間。
中庭夕景。小さくてももみじなどの四季を感じられる植栽を植えている。